慢性肝炎が進み、肝臓のなかに繊維が蓄積され文字通り、
硬くなる病気のことです。
肝硬変になりますと日常生活での食事も
気をつけなければいけなくなります。
この慢性肝炎と、肝硬変を区別することは困難なのですが、
エコー検査や、血液検査、組織検査などにより診断されます。
では、どのような原因で肝硬変になるのでしょうか?
今日は肝硬変についてお伝えしていきたいと思います。
肝硬変の原因
慢性肝炎になった方が、そのまま治療を受けずにいると、
肝硬変になります。
また、生活習慣病のひとつである、脂肪肝が進んで、
肝硬変になる方も最近では非常に増えてきましたので、
日頃、栄養バランスの悪い食事をしている方は、特に要注意です。
それから、ウイルス性肝炎のケースもあり、
急性なら症状がすぐ出るので発見しやすいのですが、
慢性となると症状が出にくく発見が送れ、適切な治療が開始されないため、
肝硬変に進むケースもあります。
最も多いのは、C型、B型肝炎ですが、ウイルス性の慢性肝疾患の場合、
インスリン抵抗性により、早い時期から、耐糖能異常が出ることもあります。
アルコールの摂取しすぎで、アルコール性肝炎になる方もとても増えていますし、
そのまま肝硬変へ進む症例も多くなってきているので、
お酒の飲みすぎには注意したいですね。
自分が肝炎だと気づかずに悪化させてしまい、肝硬変に進んだ場合は、
悪化しないと初期症状が出ないケースがとても多いそうです。
最初の頃は、なんとなくだるい、疲れる、食欲がない、吐き気やむくみ、
やがて、お腹が張ったり、性欲が減退したりなど、次第に症状が出始めます。
肝硬変はさらに悪化すると、黄疸、アザができやすい、
腹水がたまる、静脈がふくらむなどの症状が出ます。
肝硬変は、食道静脈瘤、肝ガンなど、他の合併症になる恐れがありますので、
肝硬変だと診断されたら進行を防ぐための治療を続けることが大切です。
肝硬変の方が取る食事は、耐糖能異常、筋肉量低下、
アンモニア血症に配慮する必要があります。
肝硬変と食事
では、具体的に食事は、どのように配慮しなければならないのでしょうか?
もちろん、肝硬変の病態により、適切な食事療法も違ってきます。
代償期と呼ばれる、所謂、肝硬変の深刻な症状や、重篤な症状がない時期は、
肝臓が機能しない部分の働きを他の内蔵が代わって
働いているということですので、
栄養を十分に摂取することがポイントとなります。
一般的な食事で構いませんが、栄養バランス良く食べましょう。
さらに、不足しているアミノ酸などは
サプリメントなどで補給するといいでしょう。
そして、便秘を防ぐために、野菜、海藻、フルーツなど、
食物繊維の多いものを食べるといいでしょう。
当然ながら、アルコールの摂取には気をつける必要があり、
また、肥満にならないように食事に気をつけることも大事です。
非代償期と呼ばれている時期は、血漿アミノ酸不均衡、低アルブミン血症、
それから、耐糖能異常や高インスリン血症など、代謝異常が出ている時期です。
非代償期の食事は、エネルギー量として、
25キロカロリーから30キロカロリーkcal/kg/日とします
肝硬変の非代償期に、耐糖能異常があって、血糖が上っている方は、
適切な摂取エネルギー量と言われている量から、さらに少なめにしましょう。
蛋白質は、1.1から1.2グラム/kg/日とします。
高アンモニア血症や、肝性脳症がある方は、
たんぱく質を制限した食事にします。
タンパク質制限をする方は、それようのご飯、小麦粉、
めんなども販売されておりますので、活用するといいですね。
また、分岐鎖アミノ酸製剤などで補給することも大事です!
脂肪はエネルギー比率20パーセントから25パーセントとし、
多価不飽和脂肪酸が欠乏している状態ですので、
シソ油など、植物性油脂を摂取し、
DHAやEPAをたくさん含む魚介類などを
食事に多く取り入れるようにしましょう!
肝硬変の食事として、食塩は、浮腫や腹水がたまっているときは、
1日あたり5グラムから7グラム以下にします。
食物繊維や乳酸菌は十分に取りましょう。
腸内で、腐敗菌がアンモニアを生成しますので、
それを防ぐためにも便秘にならないように食物繊維は十分に取るといいです。
そして、火代償期の肝硬変の方は、
寝る前に軽食を摂るということも心がけましょう。
肝臓のなかのグリコーゲン貯蔵量が減るので、
朝、起床時には糖が不足している状態になってしまうんです。
それを防止するため、就寝前には、おにぎりやパンなど、
200キロカロリーくらいの食事をしましょう。
それから、食道静脈瘤のある方は、食道を刺激する香辛料、
刺激物、固形物を避けるようにしてくださいね。